歌舞伎蝶日記

主に歌舞伎について。それ以外の舞台・ミュージカルも。

「フランケンシュタイン」雑感

日生劇場での東京公演が終了した、ミュージカル「フランケンシュタイン」。私は下記4回を見に行きました。韓国版は見たことがありません。

1/11マチネ:中川×加藤 @A席中央
1/21マチネ:柿澤×加藤 @1階下手
1/24ソワレ:小西スペシャル(柿澤ビクター・中川ジャック) @2階上手
1/28ソワレ:中川×加藤(前楽・両者東京千穐楽) @2階上手

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出演者

【ビクター・フランケンシュタイン/ジャック】
 中川晃教柿澤勇人(Wキャスト)
【アンリ・デュプレ/怪物】
 加藤和樹小西遼生(Wキャスト)
【ジュリア/カトリーヌ】
 音月 桂
【ルンゲ/イゴール
 鈴木壮麻
【ステファン/フェルナンド】
 相島一之
【エレン/エヴァ
 濱田めぐみ
 
 ほか

あらすじ

19世紀ヨーロッパ。科学者ビクター・フランケンシュタインは戦場でアンリ・デュプレの命を救ったことで、二人は固い友情で結ばれた。“生命創造”に挑むビクターに感銘を受けたアンリは研究を手伝うが、殺人事件に巻き込まれたビクターを救うため、無実の罪で命を落としてしまう。ビクターはアンリを生き返らせようと、アンリの亡き骸に今こそ自らの研究の成果を注ぎ込む。しかし誕生したのは、アンリの記憶を失った“怪物”だった。そして“怪物”は自らのおぞましい姿を恨み、ビクターに復讐を誓うのだった…。

日生劇場『フランケンシュタイン』

話も鬱だし、暴力的なシーン等もあります。これをマチソワするのは、私は無理です。

初見では、ただの救いのない話にしか見えず、鬱になって劇場を後にしました。大まかなストーリーを把握することしかできず、登場人物の言動に???となったまま終わってしまった。それでも、アンリ最期のソロ「君の夢の中で」と、「クマ、オイシイ…」と言う怪物の純粋無垢な笑顔には、うるっとしました。

イマイチ理解できなかった要因は、3つだと思います。
①予習していなかった
新鮮な気持ちでミュージカルを見ようと思ったので、あえてです。何も知識がない状態でミュージカルを見るのは、久しぶりでした。
②メロディーが難解で、歌詞を聞き取る余裕がなかった
音響の問題もあるかもしれません。日生劇場は、音響が「よすぎる」らしいです。詳しいことはわかりませんが…
勘九郎さんは気に入ったという「ビリビリ」にショックを受けすぎて、放心していた

 2回目では歌詞が聞き取れたので、腑に落ちたところはたくさんありました。それでも、きっちりとは説明してくれていないので、細かいところは想像で補わないといけません。演じる側はもちろん、見る側の解釈にも相当委ねられる作品です。メロディーにも慣れて自然に見れたのは3回目かな…

私のお気に入りは、中川×加藤のペア。でも、かっきーもこにたんも好き…

 

さて、以下感想。ネタバレ入ります。
そして、あくまで私の解釈・個人的な感想であることを明記しておきます。

  

加藤アンリ

仏。聖人。慈愛に満ちている。アガペー
生きたいという欲はあるんだけど、それを諦めていた。そんな中、ビクターに希望を見出した。君のために死ねるなら本望。
そして、闘える軍医。

小西アンリ

人間不信なんじゃないかってくらい闇を抱えてそう。ダーク。それでも、生きたがってる。君が死ぬくらいなら僕が死んでやる。
医者が軍に入った感。

加藤怪物

生きたいが故に酷い仕打ちをする人間を憎んでしまっただけで、ビクターが彼を拒絶さえしなければ(すなわちルンゲを殺してさえいなければすなわちルンゲが銃を向けていなければすなわちじゃれた勢いでビクターの首を絞めていなければ)、ビクターに懐いて共存できたんじゃないかと思う。
子供が徐々に成長しているタイプ。 

小西怪物

生まれてきたことをもう憎んでる気がする。どのルート選んでもビクターと相容れる気がしない。
階段状に成長してるというか、命のある器にアンリのスキル(=歩き方や言葉)や記憶が流れ込んでくる感じ。人間らしくなる前は、子供というよりかは不完全な大人。彼の非人間加減は、口ではないかと思います。そこからも、子供なのではなく人間として不完全だというスタンスが伺えます。
最後、コートをめくって心臓の位置を指すのがぐっときた。
髪が邪魔であんまりよくお顔が見えなかったのが残念。 

かっきービクター

他人を信用してないし、気にしてない。お前らなんて嫌いだー!という感情をぶつけている。忌まわしい記憶を呼び起こすであろう鍵束だって、気にせずじゃらじゃらしながら城に向かおうとしてたもん。ストレートに性格悪い。
アンリが支えてる感じがする。
エレンの大切さには、失うまで気が付かなかったんだと思う。留学に行くときの回想場面は、今のビクターとしてそこに存在してた。

あっきービクター

加藤アンリとの組み合わせしか見ていないけど、お互い依存しているように見えた。
かっきーと比べると、一応客観的な視点も持っている。鍵束も、鍵の部分を持って隠しているように見えます。でも、ひねくれてる。
留学に行くときの回想場面、子供に戻っていたと思う。

かっきージャック

サイテー!アウトー!笑
性欲って人間の欲望とかが如実に現れるところなのかもしれない。
でもちゃんとエヴァのこと大好き。しかし、夫としては役立たず…

あっきージャック

入退場の動作があられちゃん。 東京楽では「キーーーーーン」って言ってた。かわいい。
小物感がすごい。「本気出すとすごいんだぞ☆」ってタイプの小物。 

1幕

場面は、ワーテルローの戦い。アンリは、戦場で敵兵の命を救おうとし、軍規に違反していると言われ殺されそうになる。
ミュージカルらしく、歌で言い合います。アンリ2人とも、「殺すことが目的ではない 制圧するのが戦争だろ」 の「だろ」の高音に苦労している印象。
「言い残すことはあるか」と言われ、諦めたように「ない。殺せばいい」 という加藤アンリ。仕方がないと受け入れている印象。小西アンリは、舌打ちしてた。


「アンリ・デュープレ!」とドヤ声が聞こえ、「何故だ」のBGMと共にフランケンシュタイン大尉ことビクターが登場し、アンリの処刑を止めます。そして、「祖国に栄光を」と言い捨て、アンリを連れて去る。ここ、かっきーの方が性格悪そう。笑 ここでは俺が上だぞとアピールするあっきーと、わかりやすく嫌味ったらしいかっきー。


死体を蘇らせて兵士を作る研究をしているが、兵器ではなく生命そのものを創造したいというビクター。それに対し、神は許さないというアンリ。
ここでルンゲが割って入ってくるのですが、ビクターはいい反応をしません。それに気付いているルンゲは、ちょうど夕食の仕度をしようと思っていたと言ってはけます。夕食の献立が、日替わり。私が見たときは、1回目から順に、チキンドリア、ペンネアラビアータ、ポトフ、ハヤシライスでした。


死体の再利用に関する論文を書き、生命の秘密に迫りながら、人が死ぬのを見ているだけのアンリは偽善者だ、人類に対する重大な裏切りだと罵るビクター。
ここから初めての共同歌唱。
「生命は偉大な聖域であり、むやみに触れてはならない、神が定めた不変の掟」と、アンリ。そして、生命の創造は信念ではなく野望だと言います。
アンリの「神を信じていないのか?」いう問いに、ビクターはこう答えます。
神は信じているが、それは我々に祝福を与える存在としてではない。呪いを与える存在としてだ。
この世界を見てみろ。天国より地獄に近いと思わないか?裏切りや嫉妬、悪夢、そして何より死。
変えてみたいんだ、この世界を。安らかに暮らせる世界を、この手で創りたいんだ。
「大きく目を開け見るんだ♪」ビクターによる洗脳の開始。
道徳なんて忘れて戦争が残した傷を見ろと、ビクター。「今が選択の時♪」
科学の力は巨大というビクターに対して、科学はヒミツを解くだけと言いましたが、科学は殺人の道具で人類は滅亡へ突き進む と言い出します。
その未来を「「僕らが変えてやる~~~♪」」
洗脳完了!

(グリブラみて歌詞修正)


かっきーのときは「世界が求めてるのは新たな救世主だ」がとても印象に残りました。デスミュのせいかな。新世界の神になればいいよ!

ここで、ウェリントンが登場。実在していた人物です。 連合軍がフランス軍を破って戦争の終結(=1815年6月18日)を伝えに来ました。が、それは本題ではありません。ヨーロッパがフランス抜きになるのは困るため、ナポレオン1人に戦争の責任を押し付けたい。それには、停戦協定書にキャッスルレイ子爵がサインしなければならないが、戦争で右腕を失った。そこで、ビクターにその右腕を繋げてほしいと言いに来たのです。
ビク「質問ですか?命令ですか?」 ウェ「だから君を気に入った」

史実では、ウェリントンの秘書官フィッツロイ・サマセット (初代ラグラン男爵)は、ワーテルローの戦いで右腕を負傷して切断したとのこと。そこから取ったのかな。

このとき、ビクターはアンリのことをウェリントンに「大切なパートナー」と紹介します。そして、アンリが「質問ですか?命令ですか?」と言うと、「友よ」と答えるのです。こうして、アンリは完全にビクターの虜になりましたとさ。

その様子を見て、アンリに「なんでそんなに仲良くしてもらえるんですか」と問い詰めるルンゲ。大丈夫、坊ちゃんはちゃんとあなたのこと大好きだよ。
ルンゲ「愛されたいんです」柿ビク「却下」


戦争が終結して、これで実験が終わる…わけはない。アンリを伴い、ビクターはジュネーヴに帰ります。しかし、ビクターの帰りは歓迎されていないようです。
姉のエレンとジュリアをスルーして奥へ消えていくビクター。鍵束を持って戻ってきます。かっきーは鍵束をじゃらじゃら鳴らしながら持ってきますか、あっきーは鍵の本体部分を持って、隠しているようにも見えます。
「挨拶もなしか」と咎める叔父・ステファンにも「ただ今帰りました」とそっけなく返します。ここもかっきーの方が嫌味ったらしい。
持っているのが「城の鍵」だとわかると、止めるステファン。しかし、城は自分のものだと言い張り、「放っておいてもらえると助かります」というビクター。城は、魔女狩りが原因で20年封鎖されているらしいです。
そんなビクターでも、ドイツに留学するというウォルターという青年が「憧れています」と言います。それに対し、「ドイツの女は着やせしてるから脱がせた後にデブだからってガッカリするなよ」と返します。おモテになっていたんですね。


ジュリアがビクターを想う歌を歌い、エレンが城を訪ねます。
コンコンすると、出てきたのはアンリ。

エレンにビクターとの関係を問われ、「友達です。戦場で出会い、研究を手伝うようになりました」とドヤるアンリ。

きっとアンリも友達や理解してくれる人がいなかったんだろうな。

石を投げてくる老人もいるほど、地元で忌み嫌わるビクター。それを疑問に思うアンリ。エレン曰く、人々がビクターを忌み嫌う理由は、ビクターの亡霊すわなちよくない過去。

ビクターの亡霊、それは狂気。エレンの歌でビクターの過去が語られます。

ペストにかかった母。医者なのにどうもできず打ちひしがれる父は、100年前にペストを看ていた医者が被っていたというカラスのお面をかぶって診察するように。そのお面はイル・メディコ・デッラ・ペステといい、史実に沿っています。1619年にシャルル・ド・ロルムが考案し、パリで用いられていたものがヨーロッパ全土に広がったそうです。
「狂ってる!」「何かに取りつかれているんじゃない?」「きっと魔女よ」人々はそう噂します。

少し特別だった孤独な少年の物語。
誰にも理解されない大きな目の弟。

結局、お母さんは亡くなりました。
お父さんに「ママを生き返らせて」と石を投げつけ、エレンには「いい子にしてても、ママは死んだじゃないか!」と反抗。焼かれた母の死体を家に運びます。
夜中、ベッドに寝かされた死体を見つけた女中が「死体が歩いたんだわ!魔女の仕業よ!」と騒ぎます。
「生き返らせる、僕が生き返らせる」と幼いビクターは歌います。そして、「ママ起きて!」と叫びます。彼を理解できる人は、誰もいませんでした。

「歩く死体なんて不気味すぎる。あれはきっと魔女の仕業」と言い、人々は松明に火をつけ、城を焼こうとします。城の中にいたビクターを助けたのは、父親。城は崩れ、父親は帰らぬ人に。

その後、ジュリア・ルンゲとの出会います。
ステファンは、ジュリアをビクター近づかせたくないようです。
その後子供2人は仲良くなったようで、ジュリアは本ばかり読んでいるビクターから本を取り上げます。
絵がないその本のタイトルは、「生命の本質」。
ビクターは高らかに歌います。「生命有機の結合 細胞電気に反応 死亡は一時の放電 充電でき得る生命」
それを見たエレンは気が付きます。「知らなかった 胸の内を あの子母の死を認めてない」


ある日、ジュリアが可愛がっていたであろう子犬が、馬車にひかれて死んでしまいます。「僕が生き返らせる」とジュリアを慰めるビクター。そして、本当に犬を生き返らせます。しかし、その犬はジュリアの手を噛み、ジュリアは大けが。赦しを請うエレンと、庇うルンゲ。「僕がやりました。命を創造しました」と誇らしげに言うビクター。
「老廃物中和させる結果 腐敗死体にも適用可能 だが脳に残る損傷リスク」この脳に残る損傷リスクがキーとなるのでしょう。
呪われてると言い、留学させろというステファン。そして、生き返った犬を「呪われた怪物」と言います。

ジュリアが「大好きなの」と言うと、「僕と一緒じゃ君も呪われる」と答えるビクター。
ジュ「何故大人は判らないのかな」
ビク「僕がきっとまだ子供だからさ」
ジュ「大人になったら結婚してね」
ビク「約束するよ、待ってて」

エレンが「神よお守りください」と祈り、回想は終了。


アンリも、自分が研究を途中で投げ出したこと、ビクターに偽善者と罵られたことをエレンに告げます。理由は、神への恐れと人間への絶望。生きることの意味を未だに見つけられないと語ります。人間は自分のことしか考えていないし、死ねば離れ離れ。孤独こそが運命なら、それを受け入れよう、と。しかし、ビクターには信じるもの、自らの手で未来を切り開こうという強い意志がある。彼に比べたら、自分は確かに救える命を見殺しにしてきた偽善者かもしれない。正直なところこの研究が正しいのかわからないが、ビクターを手伝いたい。
エレンは、そんなアンリにビクターのことよろしくお願いいたしますと頼みます。

なお、脳が古いために電流に耐えられず、燃えてしまうため、実験は失敗した模様。
髪の毛が燃えたルンゲも同じ気持ちだと。ちなみに、ルンゲは「私の身がも!ち!ま!せ!んー!!!」と言ったのをエレンに見られていると気づいて恥ずかしがってました。かわいい。

その頃、彼は酔っていた。(1789の「その頃、俺は飢えていた」風に)
ビクターは酒場で乱闘騒ぎ。

ビクターに襲い掛かる人をねじ伏せるアンリ強い。
もうすぐ人類が滅びるとか言われたら、そりゃ周りの人は嫌な気分になるわな。事情を聴いたアンリが飲み代を奢ると宣言し、酒場は明るい雰囲気に。

「何故追ってきた?自由にしてやると言っただろ?」と不貞腐れていたビクターも、心境を語ります。腐った脳みそだと電流に耐えられず燃えてしまう。
「死んですぐの脳を手に入れようと思ったら人殺しでもするしかないだろ」

冗談っぽく言っていますが、後でこれが笑いごとではなくなります。

まぁ飲もうぜ、と、アンリがビクターにお酒を進め、このミュージカルでは珍しく楽しい歌が始まります。この歌の、和樹さんの歌い方がすき。
「じんせーい!!!」
「と・も・ぃぃよおおおおお」
「いきーるってッ↑↑ !?!?」

アンリ「僕には親がいない。だけど君がいるから十分さ」
ビクターに心酔していますねぇ。

アンリの親がいない理由や背景は、この後も一切わかりません。だから、これも別にわざわざ言う必要はないのでは、と思いました。が、2回目以降にひっかかったところがあります。

「僕"には"親がいない」

ビクターも、今は親がいません。20年間、親がいません。でも、「僕"も"」ではなく「僕"には"」と言うんです。このことから、親と死別したのではなく、元々親を知らないのではと感じました。和訳や歌に言葉を乗せた結果であって偶然かもしれませんが、私には、創造主はいるけれども親がいない怪物とアンリが重なって見えました。怪物も「創造主がいれば、自分を認めてくれれば、それで十分」と思っていたのかな…と思うと切ないです。

あっきーとかっきーで、酔い方がだいぶ違うので見てて面白い場面です。かっきーはオケピに吐こうとする。そして、その後ちゃんと謝る。笑 かっきーは酩酊だけど、あっきーは酔って面倒になってるだけな気がする。かなり酔ってはいるけど。かっきーは多分翌日覚えてなくて、あっきーは翌日思い出して自己嫌悪になるパターンじゃないでしょうか。

アンリも酔ってきて愉快になったところで、ルンゲ登場。

かっきーの場合、「あ~「ルンゲー!!」」とげらげら笑うふたり。ルンゲの存在だけでそんなに面白いか。笑
多分かっきーの方がどっちのアンリも酔ってる。笑

ルンゲがここに来たのは。新鮮な脳みそが手に入る目処が立ったため。街に出たついでに、葬儀屋に寄ったらしい。
「なんで今まで墓ばっかり掘っていたんだ(墓掘る動作しながら)」掘ってたんかい。
「ルンゲ、お前はいいヤツだ」柿ビクはルンゲにちゅっちゅちゅっちゅしてました。酔ってたから本音が出ちゃうのね。本当はルンゲのこと好きなんだからー。

店を出る時、当然お会計を求められます。加藤アンリは「HAHAHA」とごまかすように笑いながらお財布を探すんだけど、小西アンリは探そうともせずルンゲに押し付けます。
「ルンゲ、お前はいいヤツだ(イケボ)」←魔法の言葉
金額を見て驚き、逃げようとしたルンゲが諦めてお金を渡して、この場面は終わります。

テン(↑)テン(↓)テン(↑)テーン(→)と、さっきまでの楽しそうな雰囲気とは打って変わって緊迫したイントロが流れ、後ろに縛られたアンリが出てきます。
「あーーーー人殺し!ウォルターと葬儀屋殺したやつ!」
数日間、気を抜くとこの物騒なフレーズが脳内ループしてました。
ウォルターの母「息子(=ウォルター)を返して~」3つ隣にいますよ。(ウォルターのときはヅラ被るとか、もうちょっと外見変えてほしかったな…)
ウォルターは、ジュネーブに帰ってきたビクターに「憧れています」といった学生。
2人を殺した罪について、アンリは「全て私がやりました。弁解はいたしません」と、認めます。

場所は変わって、頭を抱えるビクターの横でエレンとジュリアに昨夜の出来事を離すルンゲ。
ビクターとアンリ様は葬儀屋に会った。目的は、実験の材料。それが死にたて死体の首と聞いて、驚く2人。金に目がくらんだ葬儀屋が出したのは、殺したウォルターの首。それを見たビクターは、怒って葬儀屋を石で殴り殺した。すると、アンリがビクターを気絶させ、全て僕がやったことにして逃げろと言い、今に至る。
歌の中で、最初はアンリ様って言うのにその後アンリと呼び捨てにするのが、毎回引っかかってしまいます。

アンリが濡れ衣着せられているのになぜ黙っているの?このままだとギロチンで首を斬られてしまうから自首しなさいというエレン。曰く、「おじさまが死刑は免れさせてくれるわ」
え、ステファン偉いの?金持ちそうとは思ったけど、そんな権力あるの?
普通は出会ったばかり(1日も経ってないよね?)の好青年より弟が助かるのを喜びそうなものだけど…2幕でステファンが市長だとわかるのですが、市長という後ろ盾があるからかな。でも、この時点でそんな後ろ盾があるってわからないの、初見だと。
ギロチンで首を斬られてしまう、とエレンが言っているのがポイント。死にたて死体の首が手に入りやすいですね。

アンリの首が欲しいのかとエレンに問われ、そんなわけないと否定するビクター。
ここでハッとした顔をして動揺するのがかっきー。苦しそうな顔で否定するのがあっきー。
エレン「望むもの全て手に入れようとする。恐ろしい、頭の中はどうなってるの?」
ジュリアは、ビクターの選んだ道を信じると言う。ルンゲからあらましを聞いた直後は「間違っている」と言うのに。
ここでまた「僕と一緒にいると君も呪われる」と言うビクターに、ジュリアは「それは遠い日の罪の幻」と返します。ジュリアも罪だと思ってたのか…と、腑に落ちない私です。
ルンゲが自分とジュリアはビクターの味方だと言い、2人は部屋を去ります。


ここで「なーぜだーーー」の歌。
何故自分は真実を話さないのか。
何故沈黙に笑いが響く。
鏡には見にくい自分が写る。
「アンリを死なせたらああぁぁぁぁぁぁ ぼくは殺人者」
いや、あなた既に殺人者ですから!葬儀屋殺してますから!って思ったけど、気を許した相手以外について、ビクターは人と思っていないのかもしれない。


証人として法廷に立ち、アンリは無実だ、と真実を話すものの、ステファンは戦争の後遺症で精神を病んでいて信憑性がないと主張し、証言は却下に。アンリは死刑になってしまいます。

この後、ビクターはアンリに会いにいきます。今からでも真実を話そう、わかってもらえる、というビクター。「それで君が死刑になったら?」と強く反発するアンリ。「生き残るべきは君だ」と諭します。
ビ「どうして君が僕の代わりに死ぬんだ」
ア「決めたんだ」
ビ「アンリ!」
このやりとりが好き。
アンリが「初めて君に出会った時のことを思い出すよ」と優しく言い、神曲君の夢の中で」を歌います。
東京楽の加藤アンリがもう涙なしには聞けないくらいの入魂っぷり。私の目にも、走馬灯のように 2人が出会った場面が映るようでした。階段登りながら詰まって歌い方いつもと違うくらい泣いてた。思い出すだけで泣けます。
「君が見せてくれた~」の前のビクターの「殺してないと言ってくれ!」も、切実なんです。

この歌、和樹さんとこにたんで、音が違うところがあります。最後の「生きよう」など、こにたんの方が低い。他はそこまで気にならないんだけど、最後は上がってほしいな。物足りない。

アンリの首が斬られ、何故だのBGM⇒「偉大なる生命創造の歴史が始まる」

布に包まれたアンリの首に頬ずりするビクター。狂気。

ビリビリagainからの、エレン&ルンゲ入室。
加藤怪物は、人工生命を思い出す。意思のない生き物。
小西怪物は、生き物というか、ただ命がある創造物。

じゃれている(?)内にビクターの首を締めてしまった怪物に銃を向けるルンゲ。怪物はルンゲを噛み殺し、エレンは気を失ってしまいます。完全に防衛本能でしょうね。殺そうと思って殺したわけじゃないはず。
鎖で遊ぶ怪物。その鎖で怪物を絞め殺そうとするも、失敗。
銃で撃とうとするが外して窓を撃ってしまい、窓から逃げる怪物。
「アンリーーーーーー」で1幕終わり。

 

2幕は、また今度。

 

関連リンク

日生劇場『フランケンシュタイン』

 

kabumyu.hatenablog.com

あるえ(こんな人